日本人の倫理学
引き続きガバナンスと倫理のエッセイを書いておりますが、日本人の倫理学というのも考えたいテーマです。
現在の日本では宗教の影響が比較的少なく、倫理について自分を含めてあまり向き合っていない気がします。日本では人への迷惑と人の目を気にする観点での道徳的要素が大きいでしょうか。特に古い世代には儒教の影響が強く、意識が高い経営者は論語を読む。SDGsもそうかと思いますが、日本では他人の尺度に依存をしてしまう傾向が強い気がします。
それなので大臣や官僚のトップが罪を犯したり悪い事をしているのを見ると多少の事はいいのではないかと思ってしまう事になるのではないかと心配してしまいます。またそのような事をする人たちに表面的な言葉で諭されたとしても白けるだけとなるでしょう。
倫理学は善悪を論理から導こうとする普遍的な試みであるのに対し、道徳は心の持ち方を説くもので異なるものです。道徳は宗教や文化への依存が大きく、また以前の修身のように国家による思想統制のツールとして利用される危険もあります。
今更、西洋と東洋を区別する必要もないですが、西洋の倫理学は善いことと悪いことの判断軸を、他人の目ではなく、自分の頭で論理的に詰めて考える所に西洋であろうが東洋であろうが学ぶべき普遍的価値があるのではと感じます。
さらに企業に於いても倫理はとても大事なテーマで、この軸がしっかりしていると、ブレずに正しいと思える活動を萎縮えずにできるのだなという事を学んでいます。