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Showing posts with the label 物理学

オックスフォード大学理学部物理学科で学ぶこと

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学部で色々な科目をつまみ食いしてリベラル・アーツ(教養)を学ぶというのはアメリカ的な大学教育の発想で、イギリスで特にオックスブリッジの学部は、米国や日本のような単位制ではなく、学部期間を通じて自分の好きな専門科目しか学ばなくていいのが大きな特徴で魅力だ。 ホーキングも学んだオックスフォード大学の物理学科は学部3年(BA)/4年(MPhys)の期間中、本当に物理学だけしか学ばない。ちなみに、ケンブリッジ大学の学部は自然科学全般を学ばされて物理以外の科目も少し入ってしまうので、オックスフォードの物理の方が純潔た。 学部入学は理学部全体ではなく学科毎の選考であり、 オックスフォード大学理学部物理学科の入学な案内  によると、 インタビュー試験に呼ばれた割合:32% 合格率: 13% 入学者: 182人 日本の大学、例えば 京都大学理学部物理学科 などの日本の大学で教わる中身との比較感はわからないが、オックスフォード大学は物理学科だけで 182人もいるので、物理学だけを ホーキングと同じように学びたい人にはお勧めしたい。 30年前に何をやっていかた忘れていたが、以下のような カリキュラム になっている。本当に他の科目はい一切やらずにこれだけを物理学科の学生は学部時代で学ぶのです。 YEAR 1 CURRENT COURSES Classical mechanics and special relativity Electromagnetism, circuit theory and optics Mathematical methods I Differential equations and waves Short options, for example: Astronomy Complex analysis Quantum ideas YEAR 2 CURRENT COURSES Thermal physics Electromagnetism and optics Quantum physics Mathematical methods II Short options, for example: Classical mechanics Climate physics Introduction to biological physics YEAR 3 CUR...

量子力学の奥深くに隠されているもの

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  邦題 『量子力学の奥深くに隠されているもの: コペンハーゲン解釈から多世界理論へ』 :量子力学はその計算結果の正しさからshut up and calculate派により実世界での応用が進められてきましたが、その解釈はまだ未解決。コペンハーゲン解釈では、観測による波動関数の収縮を必要とする。これを避けるのが宇宙が分岐していく多多世界解釈。この本にも出ている Universe Splitter はジェノバの研究所で光子のスプリットにより2の選択肢を2つの宇宙に分岐するという設定のアプリ。このアプリにより設定した選択肢から分岐結果が送られて、例えばコーヒーを飲む自分がいる宇宙と、紅茶を飲む自分がいる別の宇宙に分岐されていく。この解釈だと観測者問題は回避できるが、無数に分岐する多くの宇宙が生成されている事になる。個人的には、宇宙の構成要素には時空間と物質エネルギーに加えて情報も根源的ま存在であると考えることから、この本ではごく簡単に言及されている量子ベイズ主義(QBism)もより興味深い解釈と思っております 。 AUdibile版 「Something Deeply Hidden - Quantum Worlds and the Emergence of Spacetime」

小澤の不等式

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εqηp + σqηp + σpεq ≧ h/4π ハイゼンベルグの不確定性原理はとても鋭い洞察でコンセプチャルな発見であったが、小澤の不等式は確率的な量子 ゆらぎ、測定誤差、擾乱を区別して厳密に数式化した。 この問題を突き詰めると情報の問題に行き着く。 関連記事 "Universally valid reformulation of the Heisenberg uncertainty principle on noise and disturbance in measurement" Masanao Ozawa (Tohoku University) 日経サイエンス 「特集:小澤の不等式」 日経サイエンス 「2012年1月16日 ハイゼンベルクの不確定性原理を破った! 小澤の不等式を実験実証」 サイエンスジャーナル 「不確定性原理を破った!“小澤の不等式”は量子ゆらぎと測定誤差を区別」 ブログ 「不確定性原理の本質。。。小澤の不等式。。」

ヒッグス粒子の残された謎

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  オックスフォードの素粒子グループのヘッドによるヒッグス粒子の残された謎についての解説。なぜ標準モデルに3世代あるのか。ニュートリの質量はヒッグス粒子との相互作用から生じるtのか、ヒッグス粒子自身の質量はどう生じているのか。標準モデル粒子は宇宙全体のエネルギー物質の5%しか説明しておらず、より高エネルギーの実験に進むことで、ヒッグス粒子の質量の理由、標準モデルを拡張する超対称性SUSYモデル等で予想される新しい粒子、より重いヒッグス粒子やダークマターの候補と探索する。これらの問題を考えると自分が学生の時にように楽しく感じます。

オックスフォフォード大学理学部物理学科の入学案内

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オックスフォードの物理学科入学案内。教養課程はなく学部では100%物理しかやりません。  

ダークマター候補の宇宙背景アクシオン(CaB)

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  ダークマター候補の宇宙背景アクシオン(CaB) Kavli IPMU、「宇宙背景アクシオン」からの信号を捉えることは可能と指摘(2021/06/09 15:17)

チャーム中間子の粒子と反粒子間の振動の発見

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  チャーム中間子の粒子と反粒子間の振動の発見  "In the strange world of quantum physics, the charm meson can be itself and its antiparticle at once. This state, known as quantum superposition, results in two particles each with their own mass – a heavier and lighter version of the particle. This superposition allows the charm meson to oscillate into its antiparticle and back again."

Spinning black hole

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  A spinning, supermassive black hole at a galactic core. "Polarized light shows hot gas swirling around a galactic core" - Physics Today 01 JUNE 2021

ロジャー・ペンローズ

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  ペンローズがノーベル賞を取ったシンギュラリティ理論の話から、ホーキングがそれをビッグバンに拡張して話やビッグバン前の宇宙についての話、最後の忌部ユーでは、次の物理学のフロンティアは「意識」の問題である事を熱く語っておりました。機械が計算できる事と我々が理解するという事の違い。理解するには意識が必要で、量子コンピューターでもできない。量子力学も計算の応用はできるが、波動関数の崩壊の説明はできない。シュレーディンガーもその問題からは目を背けていた。最高のレクチャーでした。

ホーキング

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予想裏切るノーベル物理学賞、存命ならホーキング氏も? 日本経済新聞2020年10月7日  ホーキングはハンディもあった事から素粒子のように当時時流ではなかったブラックホールの理論という実験での検証が難しくノーベル賞から遠そうなテーマを敢えて逆張りで選んだようですが、もし存命であればホーキングも受賞していたと思うと感慨深いです。30年近く前ホーキングが車椅子でオックスフォード・ユニオンのディベートに参加したのを学部時代に聴きました。聴衆から「神はいるか」との質問が出て、数分ほど沈黙した後に機械音で「NO」と答えていたのを覚えています。

ノーベル物理学賞

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今年 2020年のノーベル物理学賞 はブラックホールに関する研究などで大きな貢献をしたイギリスのオックスフォード大学のロジャー・ペンローズ氏ら3人。ホーキング博士も生きていたら対象だったのでしょうね。

20世紀の偉大な物理学上の発見

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The Greatest Physics Discoveries of the 20th Century オックスフォード主催のノーベル賞物理学者4名によるZoomイベント。世界中から3000人の参加者。20世紀の偉大な物理学上の発見について議論。4人とも量子力学、宇宙の膨張が1人。量子力学は驚くべき正確性を有し近年の半導体技術やそもそも化学的存在の前提を解明。量子力学の観測者の問題を解決する理論はあるか。情報理論と量子力学の関係はまだよく分かっていない。ブラックホールの中での情報の行方。観測者問題を解決する理論はまだない。量子力学の色々な説明はそれが新しい予測を伴わない限り意味なく「黙って計算しろ」派2名。現在の量子力学を内包する新しい理論は今の人間の脳のハードウェアで対応できるのか、もしかすると脳をシリコンで増強しないと対応できないかどうか。数学は人間が人工的に生み出した言語なのか。コンピュータの計算力とシミュレーションは新しいツール。ダークマターとダークエネルギーは後1000年解明されないかもしれない、などなど刺激的な深夜の2時間半。コロナだから実現できて世界中から参加できた大変貴重な機会でした。録画が公開されるといいですね。

物理学科同窓会

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陽子と電子の電荷が符号以外全く同じなのはなぜか?オックスフォード物理学科同窓会で出ていた質問ありました。

Der Teil und das Ganze

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