量子力学の奥深くに隠されているもの
邦題『量子力学の奥深くに隠されているもの: コペンハーゲン解釈から多世界理論へ』:量子力学はその計算結果の正しさからshut up and calculate派により実世界での応用が進められてきましたが、その解釈はまだ未解決。コペンハーゲン解釈では、観測による波動関数の収縮を必要とする。これを避けるのが宇宙が分岐していく多多世界解釈。この本にも出ているUniverse Splitterはジェノバの研究所で光子のスプリットにより2の選択肢を2つの宇宙に分岐するという設定のアプリ。このアプリにより設定した選択肢から分岐結果が送られて、例えばコーヒーを飲む自分がいる宇宙と、紅茶を飲む自分がいる別の宇宙に分岐されていく。この解釈だと観測者問題は回避できるが、無数に分岐する多くの宇宙が生成されている事になる。個人的には、宇宙の構成要素には時空間と物質エネルギーに加えて情報も根源的ま存在であると考えることから、この本ではごく簡単に言及されている量子ベイズ主義(QBism)もより興味深い解釈と思っております。
AUdibile版「Something Deeply Hidden - Quantum Worlds and the Emergence of Spacetime」