企業のガバナンスと倫理
企業のガバナンスと倫理について。西欧倫理学は、ベンサムの功利主義、カントの義務主義、アリストテレスの徳(Virtue)の倫理の3系統。ベンサムは最大多数の幸福が禅とする考えで限界あり。カントの倫理は、自分の行為が汎用的な規範になるかどうか、人を手段としてではなく目的として扱っているかどうか、相手の合理的判断を阻害せず自律性を尊重しているかという観点。アリストテレスは徳を積む倫理。その上で、個人ではなく組織である企業の倫理はどう形成されるか、誰が責任をもつのか。まず企業或いは会社は契約の結びつき(Nexus of Contracts)であるだけではく、どのような契約をするかの意思や態度を構成するコーポーレト・マイインド(企業意思)と、対外的な約束であるメタ契約から構成される。メタ契約は株主に対してだけ行うか、それともステークホルダー全体に対して行い取締役会がその全体の最適化を司るのかといういつもの議論。ガバナンスとはメコーポレート・マインドがメタ契約にきちんと従う事を担保する仕組みのことで、良いガバナンスができていても悪い事をする会社もあり倫理とは関係ない。 また、企業や組織の目的は推論ジレンマの通り、個々人の目的とは異なるものが合意形成の仕方に依存して決まる。その上で、企業の倫理の軸はなにか。それは徳を積む事であり、徳は稽古する(Practice)を通じて積まれるもの。