先人へのリスペクト
京都大学広報に掲載された太田裕朗さんの「(寸言)先人のエピソードを未来に」を拝読しました。
「少し前,友人とオックスフォード大学を訪れた。有名なハリー・ポッターの映画のロケ地で知られるクライストチ ャーチの大食堂 は ,オックスフォ ード が 輩 出した 偉人の肖像画が数多並 んで いることで有名である。別の場所では,アインシュタインの筆跡が残る黒板など, 科学の発展のワンシーンを偲ぶ展示がある 。図書館もツアー見学可能で,今の天皇がお過ごしになったとのエピソードも残る。まるで歴史博物館に来ているような感覚を得 るが,観光客向けというわけではなく,何かを学び,成さんとする人に対し,示唆を与えること が目的のように感じた。人物の固有名詞が主役であって,その人固有のエピソードを伝えようと しているように感じた。」
以前の日本経済新聞の記事「英オックスフォード大、少数教育が生む自信」にも以下のような記載がありました。
オックスフォードの学生の多くは入学当初、「ペテン師症候群」に陥るといわれる。経済学者のアダム・スミス、哲学者のトマス・ホッブズ、物理学者のスティーブン・ホーキング……。大学で学んだ偉人らの名と歴史を刻んだ重厚な図書館や学舎、マトリキュレーションといった伝統に圧倒され、「自分は不相応な場にいる」と感じる。
しかしこの先人たちへのリスペクトの積み重ねに触れる事で自分自身の目線も上げさせられます大事なのは、これが各個人へのリスペクトの積み重ねであって、個人を殺して国や組織を崇めるものではない事です。一人ひとりの個人としての先人へのリスペクトの積み重ねが伝統となって誇りとなり、それらが同じ試みを続ける勇気を与えてくれるのだと思います。