倫理資本主義
マルクス・ガブリエルの倫理資本主義が興味深い。倫理は神や精神論によらず善い行いを論理的に追求する学問で、今後世界の共通言語になると思っています。日本では倫理の教育が極めて遅れていると自分自身を省みて思います。
インタビュー冒頭で
日本には自由に対する多くの制約があります。ある意味でこれはソフトな独裁国家だと思います。
と語っており、日本の本性を見透かされています。以下、彼の話のポイント。
- コロナは人類への警告。人類は変わる必要があり、今後はスピードと成長ではなくスローな幸せの経済学が必要で、コロナをきっかけに倫理や道徳が世界の価値観の中心となる倫理資本主義が大切になる。
- 稼いだ富の意味は、富を共有できる可能性、他者の為に善い行いができる可能性を手にすることにある。稼いだ富を倫理観に基づいて再分配することで完璧な構造となる。
- 富の分配を倫理的価値の判断で行うことでより良い世界になる。1000億円稼いだら500億円は倫理的に善い行いに還元することで世の中に貢献できる。
- 善い道徳的な行いに価格をつけることで倫理資本主義という完全なシステムが実現できる。
- カントの言うように機能する法律は道徳的構造によって構築されている。なので法に従っているのが悪魔であっても構わない。それと同じように企業がSDGsを信じていなくてもSDGsに従う企業の方が従わない企業よりもより良いと言える。
- 永続するサステイナブルな企業を作る為には、倫理的に善い企業であることが必要となる。企業の持続可能性を保つ為には今後全ての企業内に倫理チームが必要となる。今後、倫理士や哲学士のような専門職が税理士と同じように必要となる。企業内の倫理・哲学チームの目的はもちろん利益を上げること。