ディープテック

「ビジョン・ファンド参戦、「研究型」新興企業にチャンス」と報じる日経新聞の記事。


日本でも「ディープテック」という言葉が浸透しましたが、多分最初に日本で使い出したのは自分が UTECにいた2017年からだったと思います。これはシリコンバレーでは聞かなかった表現で、元々シンガポール政府が研究開発型のベンチャー育成に舵を切った時に打ち出した言い方で、その後イギリス等でも使われるようになっていたものです。日本ではハイテクとかリアルテックとか、ゴリテクとか言っていましたが、Deep LearningやDeepMindの影響でDeepがクールな響きになり普及。日本も英国もシンガポールも、シリコンバレーとは違う技術に軸足を置いたベンチャーを切り口にしたい想いが感じられます。この分野は金を突っ込んでもうまくいかず、どちらかというとお金はコモディティで、より大事なのがサイエンスが分かり、人を動かすアートに長けた太田さんのような経営人材です。流入資金を背景にそのような方々が増えていくのがポジティブ・ファクターだと思います。

ACSLのコメントも記事中に引用されていました。

「ドローン開発のACSLは13年設立で、18年の上場までに約30億円を調達。IPO(新規株式公開)以降も約52億円を調達して機体開発に積極投資してきた。上場前に同社の社長に就任し、現在は会長を務める太田裕朗氏は「日本ではディープテックのグロース資金が足りていない。本来であれば早く上場しない方が好ましい場合も多い」と指摘する。」