ウィルスの不思議
地球上のウィルス全体の方が人類全体より重い
ウィルスに関心を持たざるをえない。医学者が対象とする人間が感染し病気となるウィルスは生物全体の保有するウィルスのごく一部。「京大おどろきのウイルス学講義」は獣医学者による人間以外の保有するウィルスを含めた解説。ウィルスについてまだ殆ど未知な事が良く分かる。また、生物はウィルスと共進化してきた切っても切れない関係。一心同体の関係で未来永劫共存していく相手。というよりも、そもそも生命の誕生に関わっており、また生命の進化も担ってきたウィルスは、極めて不思議な増殖マシーンで興味が尽きない。
- ウィルスは遺伝情報を包んだ粒子。神が創った増殖レゴマシーンとしか思えない。
- ウィルスは自分自身ではエネルギーを作れず。
- ウィルスは自分自身では増殖できず、生物の宿主の生きた細胞に入って増殖する。
- 細胞は2つにしか分裂できないが、ウィルスは一気に多数に増殖できる。
- ウィルスは30nm-400nmの大きさ。
- 地球上に膨大なウィルスが存在。海水中の深海では1mlに100万個、沿岸の海水では1億個のウィルスが存在。どんな働きをしているのかまったくわからないウィルスばかり。
- 物質量カーボン炭素量で見積もると、人類全体より地球上のウィルス全体の方が重いとと推測されている、という衝撃。
- 生物のDNA中にウィルスの遺伝情報。レトロウィルスは生物の進化に大きな役割。生物とウィルスは共進化。
東京大学の研究成果「物質から生命への進化を可能にしたカギは寄生体との共進化か」
これまでウイルスなどの寄生体と宿主生物との共進化は、生物進化における重要な駆動力のひとつだと考えられてきましたが、本研究成果は、その起源が生命誕生前までさかのぼる可能性を示しています。寄生体との共進化が、物質から生命への進化を可能にしたカギだったのではないかと発表者らは考えています