人類がつくった人工物の総量が地球上の生物量を上回るという転換点

 人間がつくった「人工物」の総量は、こうして地球上の生物量を上回った(WIRED2020年12月記事)。

人工物をリサイクルしないと人類は滅びますね。

<記事のまとめ>

  • 2020年かその前後2〜3年の間に、生物と人工物という2種類の物質の総量が逆転する転換点を迎える。

  • 人間が生み出した人工物(人為起源物質)の総量が約1兆1,000億トンに達し、地球上の生物の量を上回った(『Nature』21年12月9日論文)。

  • 生物量(水分を除いた乾燥重量)には、植物、動物、微生物など、生きているあらゆる有機体の重量が含まれる。
  • 20世紀初頭には人工物の量は生物量の3パーセントにすぎず、この100年余りの間に急激に増加、年間300億トンずつ生産されている推算。
  • 生産量が急激に増えただけではない。使用価値がなくなったものは、再利用可能でない限り、ただ廃棄されるようになったのである。言い換えれば、そうした人工物が蓄積されていく一方で、人間は自然界の生物を着々と消滅させ、いまや両者がほぼ同量になってしまったのだ。
  • このペースが続けば、20年後には人工物量が生物量の3倍近くに達する。
  • 人工物の大部分を占めるのが建築資材。コンクリートを筆頭に、砂利などの骨材を含む建築資材が第2次世界大戦後に急増し、人工物のほとんどを占める(地球全体の数字)。
  • 世界各地で生活水潤上がり、スマートフォンからクルマまで、さまざまなモノをどんどん買うように。使われているものと廃棄されたもの、リサイクルされたものを含め、プラスティックの量だけでも80億トンにのぼる。これは地球上にいる動物の総重量の2倍にあたる。
  • 映画マトリックスでは、人間はある場所にやってくると増殖を繰り返し、ついには「あらゆる天然資源を使い尽くしてしまう」。つまり、ウイルスみたいなもの。
  • 人工物のこうした急激な増加は持続できるものではない。どこまでくれば限界なのか正確にはわかっていない。
人類は弱毒化するのだろうか?