イノベーションの不確定性原理 Uncertainty Principle of Innovation 不確定な世界を生き延びるための進化論
イノベーションという人類の進化のプロセスに携わるVCとしての思想をまとめた新刊『イノベーションの不確定性原理 Uncertainty Principle of Innovation 不確定な世界を生き延びるための進化論』が5月6日に発売されることになりました。
<以下、Amazonの紹介ページより転載>
イノベーションは一人の天才による発明ではない
そもそもイノベーションとは何を指しているのか、
いつどこで起き、どのようなプロセスをたどるのか、誕生の仕組みをひもといていく。
移動・輸送の革命や電気・通信インフラの進化、インターネットやスマートフォンの普及と、
人々の生活は数々の変化をし続けてきました。
人類は危機に直面するたび、科学や技術を駆使して生き延びようとしてきたのです。
ビジネスの世界においてイノベーションは未来を切り拓くものであると考えられ、
政府や多くの企業が変革を起こそうと取り組んでいます。
しかし、イノベーションとは何なんなのか、実態はいまだ分かっていません。
一人の天才的な人物の発明によって起きるとも考えられていますが、
実際には単なる発明ではなく、それを社会に浸透させ還元していく
長いプロセスを指すのです。
その仕組みが分かれば、次はどこからどんな新しい科学技術が誕生するのかを
想像することができ、社会に大きな変革を起こすための真の近道になるはずです。
本書では物理学とビジネス双方の知見をもつ2人の著者がこれまで重ねた議論を
まとめています。
イノベーションを創出し、不確定な時代を生き延びるためのヒントを与えてくれる一冊です。
【目次】
はじめに第1章 イノベーションとは何か
――単なるアイデアやひらめきではなく、社会に実装され構造化されてはじめてイノベーションになる
- イノベーションという進化のプロセスが始まった
- 単なる発明ではなく社会そのものが変わっていく
- イノベーションとはどういう歩みなのか
- ライト兄弟が飛ばなくても誰かが飛んだ
- 100年以上かけて実用化されたLED照明
- 人間バージョンの自然淘汰
- 進化して生き延びるか、絶滅するか
- 多くの参加者と参加できる環境が必要
第2章 何がイノベーションを可能にするのか
――不確定な世界で必要なのは無数のトライアンドエラーである
- 生き延びたものが勝者になる
- 世界は不確実ではない。不確定だ
- 量子力学は不確定性原理に支えられている
- 不確定な世界を生き延びるにはトライアンドエラーしかない
- ただ一つのプランしかないものは脆い
- 産業革命で人類は新たな段階に入った
- 技術革新だけで産業革命は起こらない
- 産業革命の背後にあったもの
- 権利を守り、報酬として還元する
- モチベーションを掻き立てるものがあった
- あるべき社会に対する哲学的考察も進んだ
- イノベーションを促すアメリカの資本主義
- 明治維新を経て近代化に突き進んだ日本
- トライアンドエラーの芽を摘んではいけない
- 挑戦するインセンティブやメリットがあるか
- 企業に求められるのはトライアンドエラーを奨励する文化
- 行き過ぎたマニュアル化の弊害
- 効率化の追求が全体を見直す視点を弱めることもある
- 失敗がなければうまくいく可能性も生まれない
- 変化を許容する集団であることが必要
- 科学技術の浸透を支える土壌
- いいものは使う、という人の存在も必要
第3章 イノベーションを事業化させるには
――科学的ブレイクスルーに興味をもち、応用して社会に実装するプロセスが必要
- 安定して反応が進む「るつぼ」がイノベーションを生む
- 今進行する日本版「イノベーション」への疑問
- 環境整備こそ最優先に取り組むべき
第4章 イノベーションの起点になる“ヘリコプターマインド"とは
――ダウンサイドのリスクにとらわれずアップサイドを追求する
- オプショナリティをもち、トライアンドエラーをする
- 「なんでもいいからやってみる」のがトライアンドエラーではない
- アップサイドを見ることが大事
- アップサイドへの熱狂こそ、イノベーションの原動力になる
第5章 次世代のイノベーションを探る
――科学技術の最前線に目を向ける
- 明らかになったイノベーションの基本構造
- 今注目すべき科学的ブレイクスルーとは何か
第6章 イノベーションを続けるための倫理を学ぶ
――倫理的思考力を身に付けて人類の持続可能性を高める
- イノベーションの負の側面に注目することも必要
- 倫理的な価値観、問題解決能力を養う西欧の教育
- 人も企業も徳を積むことが求められる
おわりに