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Showing posts from June, 2021

ベリオール

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  750周年の記念イベントで「大学はオックスフォード、ケンブリッジとベリオールの3校があるが、ベリオールに行けと入学前に父親に言われたと」ベリオールのマスターに話すロンドン市長時代のボリス先輩(笑)。折角のブランドがあるのにオックスフォードの敷地の制約で拡張できないのはもったいない、世界に分校といか作ったらいのではと話してました。

チュートリアル

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  カレッジのチューターが医学部生向けにテュートリアルの説明をしています。2-3人で行う少人数のテュートリアルがオックスフォード大学の学部教育の特徴です。 テュートリアルのない 大学院の授業と比較すると、これはなんと贅沢な教育機会だったのかと痛感してしまいます。 この動画で説明していますが、議論をしながら自分の意見を持たせる、まだ答えが分かっていない事への質問を引き出す、というテュートリアル教育をもっと普及させたいと思います。 学問に関心がある学生が、その分野の専門家の教授と少人数で継続的にディスカションする仕組みは、アメリカ的なケーススタディや、グループディスカッション、グループワークともまた異なるものです。 学生同士で学び合わせる的なグループワークとかは 教える側にとっては効率的で手間がかからないのではと思いますが、個人的には 馴染めていません。 教える側も学ぶ側も手間がかかりますが、 各分野の専門家と2-3人で議論しながら学べるような大人向けのテュートリアル教育の場があるといいなと思っております。

倫理学の世界

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  倫理学を解説した 慶應義塾大学商学部 杉本俊介 准教授)のウェブサイト 「 めくるめく倫理学の世界にようこそ 」。 訳語が実際の生活感から乖離してしまっているからでしょうか、 日本語だと倫理学はとても難解に見えます。 実際には人間社会と生活に直接関わる事項なので、とても大事で実は面白いテーマと思いました。訳語だと学者の屁理屈の集まりのように見えてしまいますが、身近の倫理や疑問に照らして考えることで、なるほどと思います。オリンピックなども恰好の事例でした。

企業のガバナンスと倫理

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  企業のガバナンスと倫理について。西欧倫理学は、ベンサムの功利主義、カントの義務主義、アリストテレスの徳(Virtue)の倫理の3系統。ベンサムは最大多数の幸福が禅とする考えで限界あり。カントの倫理は、自分の行為が汎用的な規範になるかどうか、人を手段としてではなく目的として扱っているかどうか、相手の合理的判断を阻害せず自律性を尊重しているかという観点。アリストテレスは徳を積む倫理。その上で、個人ではなく組織である企業の倫理はどう形成されるか、誰が責任をもつのか。まず企業或いは会社は契約の結びつき(Nexus of Contracts)であるだけではく、どのような契約をするかの意思や態度を構成するコーポーレト・マイインド(企業意思)と、対外的な約束であるメタ契約から構成される。メタ契約は株主に対してだけ行うか、それともステークホルダー全体に対して行い取締役会がその全体の最適化を司るのかといういつもの議論。ガバナンスとはメコーポレート・マインドがメタ契約にきちんと従う事を担保する仕組みのことで、良いガバナンスができていても悪い事をする会社もあり倫理とは関係ない。  また、企業や組織の目的は推論ジレンマの通り、個々人の目的とは異なるものが合意形成の仕方に依存して決まる。その上で、企業の倫理の軸はなにか。それは徳を積む事であり、徳は稽古する(Practice)を通じて積まれるもの。

推論的ジレンマ

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フィリップ・ペティットの言う推論的ジレンマ( Discursive Dilemma )は大変興味深い。人間の集団である組織の目標は、構成する個々人の目標とはいずれも一致せずに異なるものとなり、かつその組織の目標はその決定方法に依存する。  

日本人の倫理学

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引き続きガバナンスと倫理のエッセイを書いておりますが、日本人の倫理学というのも考えたいテーマです。 現在の日本では宗教の影響が比較的少なく、倫理について自分を含めてあまり向き合っていない気がします。日本では人への迷惑と人の目を気にする観点での道徳的要素が大きいでしょうか。特に古い世代には儒教の影響が強く、意識が高い経営者は論語を読む。 SDGsもそうかと思いますが、日本では他人の尺度に依存をしてしまう傾向が強い気がします。 それなので大臣や官僚のトップが罪を犯したり悪い事をしているのを見ると多少の事はいいのではないかと思ってしまう事になるのではないかと心配してしまいます。 またそのような事をする人たちに表面的な言葉で諭されたとしても白けるだけとなるでしょう。 倫理学は善悪を論理から導こうとする普遍的な試みであるのに対し 、道徳は心の持ち方を説くもので異なるものです。道徳は宗教や文化への依存が大きく、また 以前の修身のように国家による思想統制のツールとして利用される危険もあります。 今更、西洋と東洋を区別する必要もないですが、西洋の倫理学は善いことと悪いことの判断軸を、他人の目ではなく、自分の頭で論理的に詰めて考える所に西洋であろうが東洋であろうが学ぶべき普遍的価値があるのではと感じます。 さらに企業に於いても倫理はとても大事なテーマで、この軸がしっかりしていると、ブレずに正しいと思える活動を萎縮えずにできるのだなという事を学んでいます。

ベンチャー資本家

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 ベンチャー キャピタリストはベンチャー資本家。 投資家はインベスター。   「投資家と資本家は似て非なるものだ」   「投資家が目指す正義はお金を作ること」、資本家については「最も大切な物差しは未来を創ることだ」 「単なる投資家ではないと思っているが、どんな風に説明すれば良いか、モヤモヤと鬱憤が溜まっていた」 「19世紀の産業革命では、ジェームズ・ワットなどの発明家と、ロスチャイルドなどの資本家がけん引した。21世紀で発明家に相当するのはスティーブ・ジョブズなどの起業家だ。ソフトバンクは人工知能を使った情報革命の資本家になる」 ソフトバンクG総会 孫氏「情報革命の資本家になる」 (2021年6月23日 日経記事)より、孫さんの発言。

Qs世界大学ランキング2022

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QS World University Rankings 2022 。 オックスフォードは今年2位で、昨年の5位から上昇。シンガポールが強く、シンガポール国立大学(NUS)が11位、南洋工科大学(NTU)が12位。日本からは東京大学が23位、京都大学が33位、東京工業大学が56位、大阪大学が75位、東北大学が 82位となっています。

ボリス先輩

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  ボリス先輩はハチャメチャですが人間として面白味があります。非合理的な人間を統率する事はロボットにはできず、一定の知性と人に好かれる素養がリーダーには必要なのだと感じます。

英国議会の開会式

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2021年の英国議会の開会と女王陛下のスピーチ。名誉革命等を経て産業革命を可能としたInclusive Political Institutionである議会政治が偶然の積み重ねで出来上がった事が興味深い。見方によっては滑稽かもしれませんが、伝統と歴史を大事にする文化もその形成に関係があると思っています。 伝統を大事にすることは細かい積み重ねを大事にするという事で、一歩一歩の貢献を後世からも末長く称える文化にも支えられています。議会で答えなかったり嘘をついたり都合良く記憶を失くしたりすることを認めるとそれが悪しき慣例になってしまいますが、それらを一歩お一歩排除して伝統を創っていくことが伝統と歴史を大事にする文化につながり、その差が国の繁栄の差に繋がるのだと思います。

ヒッグス粒子の残された謎

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  オックスフォードの素粒子グループのヘッドによるヒッグス粒子の残された謎についての解説。なぜ標準モデルに3世代あるのか。ニュートリの質量はヒッグス粒子との相互作用から生じるtのか、ヒッグス粒子自身の質量はどう生じているのか。標準モデル粒子は宇宙全体のエネルギー物質の5%しか説明しておらず、より高エネルギーの実験に進むことで、ヒッグス粒子の質量の理由、標準モデルを拡張する超対称性SUSYモデル等で予想される新しい粒子、より重いヒッグス粒子やダークマターの候補と探索する。これらの問題を考えると自分が学生の時にように楽しく感じます。

オックスフォフォード大学理学部物理学科の入学案内

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オックスフォードの物理学科入学案内。教養課程はなく学部では100%物理しかやりません。  

女王陛下の肖像画

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英国議会のやりとり。オックスフォードのモードリン・カッレジの大学院生が投票によりMCRの部屋から植民地支配の歴史を象徴する女王陛下の肖像画を外した件、奴隷貿易で富を得た卒業生で寄付者の批判のあるセシル・ローズの像を外さないオリエル・カレッジでのアカデミック150名のボイコット、ケンブリッジのチャーチル・カレッジが名前変更を考えている件からオックスブリッジの左翼学者をどうしたらいいかという議論。ケンブリッジをチャーチルと改名する法律を通し、ケンブリッジを「チャーチル・ユニバーシティ」と呼んでやればone in the eye for the leftiesだと笑。内容はともあれ、議論にユーモアがあるのがいいですね。  

ダークマター候補の宇宙背景アクシオン(CaB)

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  ダークマター候補の宇宙背景アクシオン(CaB) Kavli IPMU、「宇宙背景アクシオン」からの信号を捉えることは可能と指摘(2021/06/09 15:17)

オックスフォード大学の古地図(1605年)

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  John Speed's map of Oxford, 1605 地図を辿った古いカレッジのガイド動画 リンク先 John Speed's map of Oxford, 1605. John speed 1605 map oxford gropecunt John Speed proof maps (Cambridge) John Speed (Wikipedia)

チャーム中間子の粒子と反粒子間の振動の発見

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  チャーム中間子の粒子と反粒子間の振動の発見  "In the strange world of quantum physics, the charm meson can be itself and its antiparticle at once. This state, known as quantum superposition, results in two particles each with their own mass – a heavier and lighter version of the particle. This superposition allows the charm meson to oscillate into its antiparticle and back again."

PMQ

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  今朝のPMQ。教育とG7について。世界のワクチン摂取につぃては、(血栓が出ていますが)首相はオクスフォード・アストラぜネカ推し。議長から首相に質問に答えるように注意。議長の役割は極めて重要です。40分ですが、なんと日本の党首討論の45分と違うことでしょう。イノベーションが牽引する国の発展には、健全なInclusive Political Institutionの存在が不可欠です。

DARPAのエレクトロニクス再起イニシアティブ(ER)

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  DARPAのエレクトロニクス再起イニシアティブERI。2017年からの予算$1.5Bの5年プログラム。半導体安全保障にも対応。1990年代の第1のムーアの法則のジオメトリック・スケーリングの波、微細化した素子を繋ぐ第2のインテグレーションの波、2000年代には微細化の物理的限界に近づき 今は第3の3D FETの波。ERIはその後に続く第4の波、如何に3D回路を作るかに取り組む。フォーカスは コンピューティングのエフィシエンシー エッジ 3Dファブリケーション 回路設計 HWセキュリティー 6G-7Gの新規アプリケーション の6つ。日本でも議論が始まっているが日本もこの分野を再燃したい。 Ushering Microelectronics into Its Next Era Voices from DARPA

PMQと党首討論

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  日本の党首討論がモデルにした英国の2週間前のPMQ。水際対策の質問。インド株が広がっている中なぜ多数の国を赤色国から黄色国指定に変更したのか。黄色国へは基本は渡航をしない事を要請するもの。黄色国からの帰国者は10日の自主隔離と違反者には£10Kの罰金があり、ワクチンの摂取も進んでおり、法的な禁止ではなく自主性に任せると説明。スコットランドで友好国の日本から12万本の桜の木の寄付を受けたが植樹祭に来てくれるかとの質問に、既に行った自由貿易協定の「the Cherry on the cake」と返答。議論がきちんとされるか、されないかの違いは大きい。 で日本の党首討論がありました。比べて見てどうでしょうか。

企業カルチャー

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  企業カルチャーはすごくクリティカルてすね。商社などは敢えて新入社員にまでガンガン権限委譲すれば無茶苦茶活力が出て最高の職場になって、ものすごく人が育つのではと思っておりました。

カレッジのバーチャルツアー

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  医学部3年生による学部受験生向けのカレッジのバーチャルツアー Video tour of Balliol College for prospective applicants

Nature Index 2021

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  Nature Index 2021 で東京大学が世界8位、素晴らしいですね。 1位は中国科学院、オックスフォードは東大に続く9位、ケンブリッジの10位よりは上でした。 "UTokyo ranks eighth in Nature Index for share of research output" June 1, 2021

Spinning black hole

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  A spinning, supermassive black hole at a galactic core. "Polarized light shows hot gas swirling around a galactic core" - Physics Today 01 JUNE 2021